龍音寺は、令和元年10月で無事開山30周年を迎えることができました。これもひとえに支えてくださった皆様のおかげであると心から感謝申し上げます。
開山までの道のりは決して平坦なものではありませんでした。すべてが手探りの毎日。先立つものもなく、幾度くじけそうになったかもしれません。そんな私を奮い立たせてくれたのは胸に深く刻まれた「蓬莱山古墳をご供養しなくては」という使命感と多くの方々の「想い」でした。
この地で出逢い縁をつないでくださった方々、私を慕い集まっていただいた心の学校の生徒などたくさんの方々に支えられてきました。今の龍音寺は、そんなかけがえのない方々の「想い」の結晶なのです。
龍音寺は檀家制を基本としないお寺です。寺への関心が薄れつつある現代社会において寺がその役目を果たし、存続し続けるために重要なのは形骸化した制度ではなく「信仰心」だと考えているからです。「信仰心」を育むには、信仰を伝える役目を背負った私自身が人を惹きつける人間でなければなりません。だからこそあらゆる修行に心血を注いで精進してまいりました。
無事に30周年を迎えられたことが一つの答えだと思っています。
これからもこの地に根を張り息子、孫・・・と使命を継承しながら蓬莱山古墳のご供養を続けていく所存です。今後とも、変わらぬご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

令和 令和元年10月、当寺が開山30周年を迎えられましたのも、皆々様のお陰であると心より御礼申し上げます。
私がこの地に移り住んだのはやんちゃ盛りの6歳。当時はまだ「この地に来た意味」「寺を継ぐということ」をよく理解しておらず、父、母の苦労を感じながらも、たくさんの信者さんに囲まれ、ただただ楽しい毎日を過ごしていました。
大学在学中は寺のあり方が大きく変貌する時期にあたり、檀家制度の衰退、信仰心の形骸化、それに伴う儀式の変容など様々な問題を目の当たりにすることとなりました。その中で寺の役割や僧侶の本分について考える貴重な機会を得ました。
当寺は、生きた縁起のあるお寺です。父・晴彦が夢に導かれこの地に移り住み、蓬莱山古墳を守りご供養するために家族、信者さんと共に一から「龍音寺」を作り上げました。この縁起を胸に刻み、正しく継承し、龍音寺の礎をより確かなものにしたいと考えています。
龍音寺の副住職である前に一人の仏使としてこれからも精進していくつもりです。
まだまだ若輩者ですが、これからもお力添えを賜りますようお願い申し上げます。